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株式会社エニドア

これまで受賞した人たちへのインタビュー

株式会社エニドア

株式会社エニドアのインタビュー

ソーシャル翻訳「コニャック」:http://www.conyac.cc/

ソーシャル翻訳Conyacのアイデアの誕生から起業チャレンジへの応募へ

「起業チャレンジ2009」の最優秀賞受賞を経て起業したエニドアの2人にインタビューを行いました。インタビュアーはVentureNowの竹内社長。「起業チャレンジ」主宰のスカイライトコンサルティングの小川も少し会話に入っています。

竹内

まず、二人の出会いを。仕事場でですか?

山田

そうですね。前職で同期入社で、二人とも海外卒というのもあって、よく話しをしていました。

竹内

出会った当時から、自分たちで起業したいなっていうのがあったんですか?

菊池

私は一切なかったですね。

竹内

じゃあエンジニアになろうと思って、コンピュータ関連の会社に?

菊池

そうですね。

竹内

それってWebのエンジニア?

菊池

Webじゃなかったですね。そのころはC(言語)とか書いていたので。ホームページも作ったことなかったし。会社辞めてから、職業訓練校に行って、初めてWebを触ったって感じですね。

山田

よかったね。会社辞めて(笑)

菊池

すごいよかったですよ。会社辞めて職業訓練校に行きました、結構いいってみんなに言ってるんですけど。タダなのに、普通の専門学校の授業受けれるんで。

竹内

なるほどね。山田さんは?

山田

僕は元々、大学がコンピュータと全く関係なくて、ビジネス専攻でした。周りに起業家とか、大企業の社長とかがいたので、元々起業ってことに対して違和感はなかったんですけど、やっぱりやりたいなっていうのはあって。

竹内

じゃあ、そこに入学したのも、自分でやりたいっていう思いがあったの?

山田

うーん、最初はビジネスを学びたいっていうのがあったので、起業に限らず。ビジネスに強い学校に入りましたね。大学では、日本の企業がクローズアップされる機会が多かったんで、日本人として日本の企業に入らないと、と思って、“The 日本”といえるような会社に入って、2年半働いて、辞めた感じですね。

菊池

私が先に辞めて山田が少し後に辞めたんだったよね。

山田さんは入社当時から「3年で辞める」と決めていて、それを実行。菊池さんは大きな会社でエンジニアを続けていくことに疑問を持って、一人で何かWebのサービスを作ろうと思って会社を辞めることに。

菊池

とりあえず作るのは作れるんですけど、発表しようというところまでのモチベーションが続かないんですよね。やっぱ自分ひとりだと、誰にも迷惑がかからないかわりに、ふやふやした状態なので。何かに目標を一つ決めてやりたいなって思って見つけたのが起業チャレンジ主催の「起業セミナー」だったんです。4回、全部出て。(編注:「起業チャレンジ2009」では、各業界の起業家をお呼びした「起業セミナー」を開催していました)

竹内

影響受けて、自分でも何かチャレンジしていきたいなあって感じですか?

菊池

そうですね。それと、「起業チャレンジ」が20代限定で、年齢的にぎりぎりだったんで、これか!って思って。次の3ヶ月くらい頑張るにはいいかなと。ブラッシュアップミーティングをやるとか出てましたし。

竹内

さて、「起業チャレンジ」なんですけど、なんでやろうと思われたんですか?

山田

そこまで行けたらいいよねって最初言ってたんだよね。

菊池

そう、そこまで行けたら、最終的に落ちても、何か形になるんじゃないかと思って、応募したんです。

竹内

その時点でエニドアのアイデアはあったんですか。

山田

居酒屋アイデア!

菊池

そう、居酒屋の一休ってあるんですよ。当時ふたりとも金がなくて、発見したのが、、、

山田

一休。そこでよくアイデアについて話しあってて。

菊池

前の会社の時、「(英語が)できないできない」ってみんなには言ってるのに、海外大卒ってことで、とりあえず、「(英語で)メール書いてよ」とか、「ここ(日本語に)訳して、要点まとめてよ」とか言われるんですけど、、、

山田

なんか忙しい時に限ってそういうこと言われるんですよね。「簡単でしょ?」って言われるけど、いや「時間ないわ」みたいな。

菊池

英語できる人なんて世の中にいっぱいいるんだから、誰かやってくれないかなっていうのが、そもそものベースです。

山田

居酒屋行って、(菊池さんから)その話しを聞いて。それまでずっと、そのアイデアをみんなに認められてなかったらしくて。

菊池

そうなんですよ。よく「アイデアはみんなに話せ」って言うじゃないですか。あれ実践して、みんなに話していたんですけど。ものすごく評判悪いんですよ。こりゃダメだと。

竹内

どうやって儲けんねんと。

菊池

大分へこんでたんですけど。

山田

ちょうどその時に飲む機会があって、話を聞いたら「これ、絶対行ける!」って思って。これしかない!とか思って。

菊池

それで、これで行こう!ってなって。

竹内

面白いですね。

山田

乗りに乗ったねー。

竹内

で、盛り上がって、飲みまくった?

山田

飲みまくっても2600円とかなんですよ(笑)

菊池

あそこいいですよ。近くにもあるんです。

竹内

じゃあ、これで(起業チャレンジに)応募しようと。応募の手続き簡単なんですか。

菊池

送るだけなんですけど。一応、事業計画書って形で出さなきゃいけないんで、多分そこで面倒くさくなってやめる人いるんだろうなって。

竹内

そこでやめたら、起業する資格ない。

菊池

そうなんですよね。でも実際、事業計画書って多分みんな作り方が全然わからないと思うんですよ。私も当時、探したんですよ。とりあえずも書けないんですよ。そもそもスタートアップのそれって、どこにもなくて。

山田

資料とか何も無かったよね。

菊池

いわゆる大企業の新規事業の計画書とかはあるんですけど。書き方も分かんないんで、とりあえずだったですね、あの時は。

竹内

自分たちでこんなもんだろと。

菊池

自分たちで説明できればいいだろうと。

菊池

結構困ったのが、関係ないかもしれないですけど、賞金最大300万って書いてあるじゃないですか。だから、ビジネスプラン考えるのも300万かかんないように書いちゃうんですよね。そこが結構難しくて。今まで会社で作ってたやつって、人件費だけでも1ヶ月100万とかで見積もっていたんで、とてもじゃないけど無理になってくるんですよね。

山田

だから元々人件費とか入ってなかったよね。

菊池

そう、書けなくなっちゃって、意外と迷いました。

竹内

300万でどう事業を作っていくかっていう。

菊池

そこもしかしたらポイントじゃないのかもしれないんですけど。作ったことなかったんで、結構気になっちゃうんですよね。

紆余曲折ありながらも、起業しようと「起業チャレンジ」に応募したエニドアの二人。審査を通過した後、ブラッシュアップミーティングに進みます。

竹内

実際に、ブラッシュアップミーティングまで行って、いろいろ意見とか言われて役に立った感じでしたか。

山田

かなりきつかったね。

菊池

いやあ、きつかったですね。

竹内

きついっていうのは?

山田

(起業チャレンジ主宰の)小川さんのプレッシャーに。

竹内

「これはどうなの?」とか?

菊池

「こういう風に見せなきゃ」とか、、、

山田

「あーそうなんやー俺ら全然知らんなー」とか。

菊池

やっぱり具体的なお金のこととか。自分たちにとっては既に魅力的(なプラン)なんだけど、、、

山田

それしか考えられてなくて、こんなにいいのになんでなんだろうとか。

菊池

実際作りこんでいく作業は、「これダメなんじゃないか」って、毎回ちょっと思いました。

山田

毎回「ダメなんじゃないか」って思って、考えて考えて、すっげー話し合って、次の週のブラッシュアップミーティングには自信を回復して「これならいける!」って持って行って、また叩かれて、「これじゃーダメ」って言われて、「あー」ってなって、っていうのを1ヶ月繰り返していたら、結構良くなったよね?

菊池

資料としては結構良くなりましたね。当時よく言われていたのが、「ここで決めておかないと後でブレるよ」ってことで。そのことを言われたのが大きかったですね。

山田

その軸は今でも全然ブレてないから、あれがなかったら今はブレブレで、どこに向かっていっていいか分からなかったと思う。

小川

ブレそうなタイミングも今まで何回かあったしね。

山田

そうですね。ブレていきそうになるんですけど、最終的には同じところに戻ってくるっていうのが分かったのが、あのときでしたね。

竹内

物事に対する取り組み方も教わったという感じなんですね。実際、応募した時の事業計画と、ブラッシュアップミーティングを終えた時の事業計画と全然違うものだったですか。

菊池

そうですね。肉づけが全然違う感じですね。

山田

コンセプト自体は一緒なんですけど、それをサイドから固めていくって感じですね。

菊池

私が(応募前に)いろいろな人に話していたときは、そういうところが無かったんで、聞いている人は全然分かんなかったんだと思います。「なんで、すごくいい顔して話してるんだ?」って(笑)

竹内

どや顔なんだ(笑)今から思えば、そういうことだったんじゃないかと。でも、そこに唯一、真っ先に乗っかったのは山田さんだったと。

菊池

ある意味計画性が薄かったから、乗っかれたんだと。

山田

おい、そういうこと言うなよ(笑)自分もおんなじような経験してたんで、ニーズを感じてて、2人ニーズがあるってことは、100人以上、ニーズあると思ったんで。これはいけると思って。

竹内

先が見えてたんでしょうね。肉づけされた時の状態が。このコンセプトは伸びると。

菊池

でも、唯一だったんで、乗ってくれた人が。みんなにダメだって言われながら、唯一、彼しか味方がいなかった(苦笑)

竹内

で、1ヶ月半のブラッシュアップミーティングを経て、最終選考でプレゼンテーションするんでしたっけ。

小川

最終選考の時は、僕は審査員からは外れるので。(スカイライトコンサルティングの)役員が審査員で、僕は審査する部屋には入りますけど、アドバイザー的な立場ですね。僕は決定権持たないことにしているので。

竹内

じゃっ、TVでやっている歌のオーディションみたいな感じ?

山田

そうですね。久々に手に汗にぎったね。

菊池

きつかった。楽しかったですけどね。自分のもので、自分が作ったものなので、ある意味自分の分身みたいなプランを審査されるっていうのが、結構きつかった。

そして、最終選考を通過し、300万円の起業資金を得て、エニドアを創業します。

小川

立ち上がってから1年間はずっときつかったよね。

山田

きつかったですね。ずっとバイトして。

竹内

結局、そんな甘いもんじゃないと。

山田

甘いもんじゃないし、実際、プロモーションとか、サービスを動かしていくお金で300万円はぎりぎりだったんで、自分たちの食っていく金は自分たちで稼がないと、実際サービスが稼ぎ出すまでは無理だなっていうのはありましたね。その中でも、その(最終選考会の)プレゼン終わった後も、最近は月1回ですけど、昨年までは、週1回とか、2週に1回とか、小川さんからアドバイスいただいていたんで、それがすごいですね。それが無かったら、結構、ブレブレでしたね。

竹内

途中であきらめてた?

山田

そうですね。会社起こす時も、ノウハウも一切ないんで、そこを手伝っていただいたりだとか。

竹内

でも、技術ができる人と、ビジネスを知っている人が、上手く組み合わさっているわけだよね。

山田

最近つくづく思うんですけど、この前、オープンネットワークラボに行って、海外の投資家の人が「会社起こす時に一番重要なのはCo-Founderを探せ」「それも自分とは違うタイプの」って言ってて、うちは間違っていなかったなあって思いましたね。

菊池

二人とも計画性ないけどね(笑)

山田

いままでは友達として接していたけど、最近はビジネスパートナーとして見れるようになってきましたね。

竹内

お互いの適性が見えてきた?

菊池

最初はベンチャーなんで、目の前にあること全部やらなきゃいけないんで、やれることやってくって感じだったんですけど。そのうち、自然に役割が分かれてきたんですよね。

山田

そういう意味でも二人でやっているのは大きいね。

菊池

外のことやりながら開発って私は多分、集中できないですね。

山田

今後、人が増えても、開発のことは彼が指示してくれると思うし、その他に関しては私が指示できると思うんで。ねっ。

竹内

じゃっ今はいい方向にどんどん進んでいるっていう感じで。

山田

そうですね。

菊池

そういう風に言ってもらっていいと思います(笑)

竹内

まあ、そういう中で初めて自分の適性が見えたりするんで、結局聞いてたら、起業とかに一番向いてたのかもしれないですね。

菊池

尚貴さん(山田さん)はアジアのジャングルの奥地行っても生きれそうな感じなんですよね。だから、何とかなる気はするんですよね。僕はもうちょっとひ弱だと思うんですよ。

山田

おい、なんで、しかもそこだけ「僕」って言ったん(笑)

菊池

同情を、、、(笑)

竹内

二人ともいい具合に向いていたのかもしれないですね。

小川

組み合わせも大きいですね。

竹内

いい感じでマッチングして。あとはこれからですね。

小川

昨年も結構大変だったのに、ブレないですからね。偉いなあと思います。

竹内

ブレない、その軸っていうのはどういうことですか?

山田

「サービス的にシンプルで、個人が使って使いやすいようなサービスを提供する」っていうそれだけを思ってやってると、別のところに進もうとしても、あっそれ違うなっていうすぐ分かるんで。

竹内

なるほどね。Googleが検索エンジンに特化したっていうイメージですね。

山田

そうですね。何かに特化してるっていうのは強いと思うんで。

竹内

それは、明文化してるんですか? それとも二人の間で?

山田

二人の間で。

菊池

でも今、当時の資料を見ると面白い。

山田

面白い。なんかねえ、こんなん書いてるーとか。

菊池

あんまり変わってないなあとか。

山田

変わってないこと多いよね。

竹内

結局そうだよね、やっぱり。

小川

標語としては書いてないけど、骨格としてはあの頃の資料に書いてあるよね。きれいな言葉にはまとまってないかもしれないけれど。

竹内

また次の資金調達を考えてますか。

山田

考えてますね。日本じゃなくて、次は海外の投資家に入れてもらえるなら入れてもらいたい。国内はなんとか、小川さんや他の人からアドバイスをいただけるけど、海外でのプロモーションのアドバイスをもらえる人もほしいなと。向こうに人的ネットワークもあって、プラス、投資もしてくれる人に入れていただきたいなって思っていて。

竹内

なるほどね。ちなみにエニドアのサービスって、海外に類似サービスってないんですか。

山田

それがないんですね。

菊池

いわゆる翻訳のマッチングサイトはあるんですけど、エニドアみたいなモデルはないですね。

竹内

じゃあ、面白がられるかもわかんないね。

菊池

そうですね、翻訳者にとっては、他の人と見比べることができるっていうメリットが強いって気がしますね。あと(依頼者にとっては)値段的にも安いっていうのが。

小川

結構ほかのサービスが出てきている割には、ユニークなポジションは維持しているよね。

山田

そうですね。

菊池

他が真似するレベルになってないのかもしれないけれど、今のところ似たようなものはないですね。

竹内

なかなか真似しようと思っても、できないでしょうね。面倒くさそうだし、その割には儲かりそうにない。

小川

マイナス要因やリスクが多いんですよ。考えだすと、いーっぱい出てくるんですよ。

竹内

彼らのような感覚じゃないと。

小川

彼らは性善説で全部バシッと切っちゃうので、だから出来るんだと思うんです。出来ない理由は死ぬほどあって、でも「やっちゃったら結構受け入れられるんじゃん」って。

山田

そうですね。

竹内

そういうの、なにかと多いですよね。そのへんが性格と合ってたのかもしれないですね。

小川

でもサービス作って、受け入れられて、応援してくれる人も出てきて、これから盛り上がっていけば、もっと考えていかないといけないことも出てくるでしょうね。

竹内

そうですね。

菊池

(まずは)考えなきゃいけないところまで持っていきたいっていうところですね。

竹内

じゃあ、あれですね。エニドアが「経営とは?」って言われたら「楽観視」。

山田

「経営とは先を考えない」。でもそれを誰かがそのまま真似したら、結局ダメっていう(笑)

といいながらも、Conyacはシンプルかつインパクトのあるサービスとして、着々とユーザ数を伸ばし、業界内での注目度もあがってきています。「先を考えない」と嘯きながら、常に、まっすぐ前をみて走り続けているエニドア。
 
2010年3月には、翻訳大手のWIP Japanとの提携やサムライインキュベートに対する第三者割当増資を行い、8月には定額制プランを発表。香港のスタートアップのイベントに8月に参加し、翌月の9月にはアメリカのTechCrunchのイベントに参加予定など、絶え間なく精力的に活動を続けています。
 
日本発のグローバルサービスの実現に向けて、今後の更なる活躍を期待してます!

Profile

  • 菊池 智博(キクチ トモヒロ)

    株式会社エニドア 代表取締役。米国ロチェスター工科大学大学院卒。2006年、NTTPCコミュニケーションズに入社。2009年2月 9日、株式会社エニドアを設立。

  • 山田 尚貴(ヤマダ ナオキ)

    株式会社エニドア 代表取締役。米国カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒。 2006年、NTTPCコミュニケーションズに入社。2009年2月9日、株式会社エニドアを設立。

説明会は終了しました。資料を公開してます。